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神は人の手を借りて情報を伝えるという話。
海岸沿いの集落に信心深い実直な男が住んでいた。
その男の夢の中に神様が現れ教えた。
お前は信心深いし真面目だから教えてやろう。
神社の狛犬の口が血で汚れていたら、津波が来る兆しだ。すぐに避難しろ。
その夢の話を集落の連中にやった。だが、みなせせら笑った。
それどころか、ある夜集落の連中は男に内緒で鶏の血を狛犬の口につけた。
それを見た男は仰天し集落の人々にふれまわり高台へ避難した。
集落の人々はその男を嘲笑っていたが......。
結果的に本当に津波はやってきたそうだ。
神は人の手を借りて情報を伝えるという話です。
何故書いたかと言うと。
こんな話を聞いた。
「小学校の頃から、ずっと罪悪感を感じていることがあるんですよ」と。
「小学校のクラスでコックリさんが大好きな奴がいて、
もう一人と誘われて毎日のようにやっていたことがあって。
そいつの家族もコックリさんにはまってたようです。だから影響受けたのでしょう。
でも、コックリさんのメッセージをそいつが操作してるのがわかるんです。
だから、ずるいぞと指摘するんだが本人はやってないと言い張る。
うざくなって誘われるもう一人の友だちと共謀して、コックリさんの偽メッセージを作って動かしたんです。
『私で遊んでばかりで祟るぞ。今夜おまえの部屋に行くぞ』って。
で友だちと二人で近くの鶏の処分場で血のついた鶏の羽根を一抱え持ってきてそいつの部屋の机の下に入れてきました。
翌日そいつは学校を休みました。聞くと家族ともども半狂乱になってしまったそうです。
方々にお祓いに行ったりで、ぼくたちも言い出せなくなった。ずっと引きずってます」
それで狛犬の話を教えてやった。神は人の手を借りて情報を伝えると。
「ああ、神様がやらせたことなんだ。そう聞くとほっとしたなあ」
しかしこいつも、とんでもない悪戯をやったものだなあ。
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これはSF小説作家の梶尾真治さんが、ある日の日記に書かれていた一節です。
皆さんのどのように感じられたでしょう?私の場合「正直に願えば物事はかなう!」そんな印象をまず受けました。正直者が勝ったのだし、読んだ時点の自分の立ち位置と、多分上の実直な男の話が大きく心に左右したのでしょう。
また、その後全文を何度も読んでいるうちに、「その逆もまた真なり」と言う感じで、怖くなってきました。
はたして、この話がフィクションかノンフィクションかとかはわかりませんが、何回読み返しても飽きない、この話、さすが、SF作家さんだなとその偉大さをあらためて感じさせられました。
独り占めするのはもったいないのでここに来てくださる皆様にも是非読んでいただきたく、梶尾真治氏協力のもと転載させていただきました。氏の日記からの話なので多分、現時点では、小説にもまだ書かれていないであろう内容です。十分SF小説の醍醐味をお楽しみください。私はすごく良い映画を1本ただで見たより得した気分になれました(^_^)
さて、神は次は人の手を借りてどんな情報を伝えるのでしょう。
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梶尾真治氏・・・"エマノン"シリーズや映画にもなった、"黄泉返り"など多数の代表作をもつ、SF作家さん。熊本在住
注)上記内容は梶尾真治氏に許可を頂いて掲載していますが一切の文章の持ち帰り、引用等はご遠慮ください。
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